先週金曜(19日)に、ポイントペドロ(ジャフナ県の北東に位置する海沿いの町)付近でサッカーをしていた若者2人が、バイクで突然乱入してきた男性に射殺されるという事件があった。その事件が引き金となって、20日にはジャフナ全域で大規模なストライキが行われた。
私は20日の朝、ジャフナ県内の小島上にあるVelanaiという村に用事があり、ジャフナ市内を出ていた。今週末は、コロンボから友人のSteveが仕事半分・遊び半分でジャフナに来ている。
午前11時頃、Velanaiからジャフナ市内に戻る途中、その島と本島とをつなぐ道を走っているとき、ジャフナ市方面から煙が上がっているのが見えた。その時、UNHCRの友人から携帯にメールがはいった。メールは、市内がHARTAAL状態にあることを知らせ、全団体に活動を最小限に抑えるよう注意を促していた。HATAALというのは、ヒンドゥ語で”Politically-motivated strike”、つまり「政治的要素の強いストライキ」の意味らしい。
市内に入ると、街の至るところでタイヤを燃やすなどして道路が封鎖されていた。家に戻るのに特に問題はなかったけれど、街中おかしな雰囲気。
キリノッチからジャフナに戻ってきたUNICEFの友人によれば、キリノッチ-ジャフナ間のA9ロードはさらに厳重に封鎖されており、武装したスリランカ国軍とタミル住民が向かい合い、かなり緊迫した空気だったという。
また、一般車両は全て通行禁止となり、バスの乗客たちなどはバスを降りて徒歩でチェックポイントからジャフナまで向かったということ。
ローカルニュースや、タミル人住民の話では、昨日の事件で2人の若者を射殺したバイクの男性は、スリランカ国軍の制服を着用しており、事件にスリランカ国軍や警察が関与していた可能性があるという。また、
LTTEは、今日のストライキに関して「一般市民が自主的に行っているもの」としてLTTEの関連を否定している。
事件の背景については、様々な憶測が流れているけれど、国連や赤十字、NGOスタッフの間では大体の見方は一致している。ただ、確実でない上に、政治的に危うい内容なので、ジャフナに住んでいるうちはここでは書けないのが残念。
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夕方には、市内の道路封鎖は解かれ、いくつかの店もシャッターを開け始めた。随分リラックスした雰囲気に。
夜は、Steveと夕飯を作って食べた。
メニューはナスとチーズのペンネパスタと、庭で育てているバジルを使ったバジルとトマトのサラダ。
街は一日不穏な空気だったけれど、家の中で過ごしている分には、幸せでのんびりしたいい一日だった。